緑内障について

緑内障になると徐々に視野が欠けていきます。日本人の場合、40歳以上の約20人に1人、70歳以上の約10人に1人が発症するとされています。

視野が欠けていくのは、眼圧などの影響で視神経が障害されるからです。進行すると失明することもあり、視覚障害に原因の第一位になっているのですが、症状に気が付かないケースも珍しくありません。なぜ、気づかないのでしょうか。

それは、人間の目は上手くできていて、片方の目が悪くなっていても両目で物を見る場合は、悪くない方の目が悪い方までカバーしているからです。片目で見ると視野が欠けている部分に霧がかかっているようにぼやけて見えます。しかし両目で見ると欠けている部分を脳が補ってくれて異常に気が付かないことも多いのです。この現象は他の眼病でもあることなので、時には片目で物を見て確かめると良いでしょう。

障害された視神経は元に戻すことはできません。したがって治療の基本は、眼圧を下げて進行を抑えるということになります。眼圧を下げる方法は、点眼薬(目薬)やレーザー治療や手術があります。

2種類以上の点眼薬を使う場合は、5分以上の間隔をあけて点眼してください。また1回に1滴の点眼で十分なので、2滴も3滴も点眼しないようにしましょう。沢山点眼したからと言って効果がアップするわけではなく、却って副作用が出やすくなるだけです。

レーザー治療は日帰りで行っている所が大半です。そのため体への負担は少ないのですが、効果が一過性のことが多いです。レーザ後も点眼治療を継続するのが一般的です。

手術は眼圧を下げる効果が非常に高いです。しかし、眼圧の管理や出血への対応や感染症のリスクへの対応など、術後の管理が難しい事を考えると、十分に設備が整って経験が豊富で看護力も高い病院で行うのがベターです。